そもそも.dwgとは
DWGとはなんなのか
DWGとは米AutoDESK社が策定、管理するファイル形式です。Drawing(線描)の短縮形となっています。AutoCADでデータを保存/開くときによく使われています。ZWCADや他の一部CADソフトウェアでも保存/開くことが出来ますが基本的にdwgの内容は非公開のため各社がAutoCAD通りの再現に責任を持っています。すなわち一般的には開発力がある会社が再現性がよくなります。ZWCADは上場企業のZWSOFT社によって開発されており従業員数も1000人も超えているため.dwg互換CADの中では一番再現性が良いです。しかしながら現状ではTrusted DWGという概念がありAutoCADとそれ以外という区分けがされるのが一般的です。
.dwgファイルのバージョンとは
.dwgはいくつかのバージョンがあります。これは.dwgの内容を新しいAutoCADやZWCADで図面を正確に再現するためにものです。基本的には.dwgのバージョンが新しいほど図面が崩れたりするリスクが少なく、また読み込む時間が速くなります。しかしながら2023年1月4日時点で最新のAutoCAD 2018形式に対応したZWCADがZWCAD2019になっています。古いAutoCADやZWCADを使用しているとせっかくの新しい良いものを使えないデメリットがあるため基本的にはリリースから1~3年に一度バージョンアップをすることを各社推奨しています。
少し難しい話になりますが、AutoCADやZWCADはMicrosoft Windows上等のOSで動作するためソフトウェア内部で関数を引用しています。つまり引用する元が変わるとそこを修正する必要が出てくるため古いAutoCADやZWCADを使用するリスクが存在します。なので古いdwgは新しいAutoCADやZWCADで開けなかったり図面が崩れるリスクが存在しています。
どこまでが古い/古くないは議論する余地がありますが、一般的には最新版から3年以内であれば「新しめ」。最新版から6年以内であれば「少し古め」最新版から7年離れれば「古め」といったイメージがあります。
各国で資産の減価償却のルールも異なるためZWCADに関しては安価になり性能も十分な「3年に1度のバージョンアップ」を推奨しております。
DXFとはなんなのか
DXFとはDrawing eXchange Formatの略称です。dwgファイルはAutoCAD同士の図面保存、交換にとても利便性が高いのですがAutoCADのバージョンが異なると開けなくなったり図面が崩れたりすることがあります。.dwgはデータを高速に開くためにファイル中身の記述形式を更新しておりそれが新旧バージョンの差異を少しづつ広げることになりました。
そこでDXFファイルがAutoDESK社より開発されました。DXFファイルはDWGファイルに比べて機械言語(バイナリ)部分が少ないためAutoCADやZWCADのバージョンが大幅に異なっていても問題になることがDWGファイルに比べて圧倒的に少ないです。その欠点として機械言語で圧縮して記述されていないがゆえにファイル容量が大きくなりがちです。
DXFファイルは仕様が公開されているためDWGに比べて圧倒的に多くのCADソフトウェアに搭載されており、また工場の製造装置にもDXFファイルでデータを入力することも多々あります。
JWCADのJWWファイルとは
JWCADではJWWファイルとDXFファイルを扱うことが出来ます。JWCADはフリーのCADですが建築設計用として開発がされていますが前述の通り仕様公開をされたDXFファイルを読み書きできるため製造業でも使われておりかつ無料なことから日本では圧倒的にユーザー数が多いです。
建築設計向けにJWWファイル形式を作成していることもあり記述形式にもDXFと差異があります。またほぼ個人製作のソフトのためJWWには特有の記述形式があります。
ZWCADを含めてJWWファイル対応をうたっているCADソフトウェアはありますが実のところ一度DXFに変換しているだけなのでJWCADでDXFファイルをエクスポートするのとJWWファイルを読み込むことにほとんど違いはありません。JWCADのDXF形式は古めでかつ開発者が2~3人で高齢なことからWindowsのアップデート環境に付いていけず近い将来無くなるという見方が強いです。しかしながらユーザー数が多く営利企業でもないに関わらずユーザーの意見を吸収、反映してきた経緯から使いやすいのは事実です。