テクニカルノート

CAMはCADとは違った職人芸とも言われますが、ZW3Dはどういった付加価値があるのでしょうか？

　

自動車業界では、CNC機械加工はヘッドライトカバーからエンジンまで、様々な部品を製造に広く使用されています。
その中で、最も重要な部品の１つであるエンジンブロックには、シリンダー、冷却水通路、オイルギャラリーなどが入っており
自動車の動力源となっています。
この記事では、ZW3Dで4気筒エンジンブロックを加工する方法を紹介します。

エンジンブロックを機械加工するには、上面加工、シリンダーボーリング（ブロックの耐久性を高める、もしくは排気量を増やすため）、ドリル加工が必要です。
それぞれのツールパスを生成するには、ZW3Dの上面カット、スパイラル、および穴開けの技術が必要です。それらをひとつずつ見ていきましょう。

上面加工

エンジンを正常に機能させるには、最初にブロック上面を水平する必要があります。つまり、ブロックの一部を削ってシリンダーヘッドを水平にするのです。
これはガスケットシールを良好にし、上面の高さを適正にするために重要な作業です。
　

滑らかな表面にするため、ステップ距離を大きくしたり、フライスカッターを使ったり、加工精度を細かくしたりすることができます。
CNCマシンは、指定された上面高さに応じてブロックの表面処理を行います。
そのため、適切な面の深さを指定することで、シリンダーボアに対して完全に平面で直角な上面を得ることができます。

　

上面加工で上面を平面化するツールパスを生成する方法を見てみましょう。

１．上面用の加工機能とツールの作成

[２軸加工] タブの下の [2Dフェース]パネルで上面加工を選択し、プロファイルをフィーチャーとして選択、ツールを 『D25R3』 に指定します。

２．主要パラメーターを指定

１．[境界]で工具位置を[境界（外）]に設定し、底面を『0』に設定します。
２．公差を『0.01』、ＸＹ切削タイプを『工具直径%』と『120』、Ｚステップタイプを『底面のみ』に設定します。

計算が完了すると、下の図に示すようにツールパスが生成されます。

シリンダーボーリング

次に、シリンダーボーリング用のツールパスを作成する必要があります。これにより、超硬切削工具で余分な金属を削り、
シリンダーボアを大きくすることができます。シリンダーボアの位置がずれないようにするため、この手順では精度も重要です。
この4本のシリンダーを正確かつ均一に穴あけするためには、スパイラルが役に立ちます。
以下の手順でシリンダーボーリングの準備をします。

１．円柱ボーリング用の加工フィーチャーとツールの作成

１．[２軸加工]タブの下にある[2Dポケット]パネルで『スパイラル』をクリックします。
２．フィーチャーの下のプロファイルとして 4 つの穴を選択し、先ほどのプロセスと同じツールを使用します。

３．下記ように、主要パラメーターを指定します。

１．[制限]で下限点を『-120』に設定します。
２．ＸＹ切削タイプを『工具直径%』と『60』に設定、公差を設定し切り込み量を『3』にします。
３．プランジタイプを『ヘリカル』に設定し、プランジ角度を『3』に設定、エンゲージリンクとリトラクトリンクを設定します。

これで、ツールパスは次図のようになります。

ドリル加工

最後に、エンジンブロックに冷却水の通路やガス抜きなどの穴を開ける作業をします。
ZW3Dの穴自動加工を使えば、非常に短い時間でそれが可能です。

１．穴加工方法の作成

CAMマネージャで[自動加工] を右クリックし、次のように[自動穴加工を挿入]を選択して穴自動加工を生成します。

２．加工機能の選択と穴加工ツールパスの生成

加工機能でパーツを選択し、計算を開始します。

ZW3D 穴加工方法は、エンジンブロック上の穴の種類を自動的に識別し、あらゆる種類の穴に対するドリルツールパスを生成します。そのためプログラミングの効率が格段に向上します。

NCコードの生成

ツールパスがすべて用意できたら、それをNCコードに出力して加工ができます。

１．マシン設定

ポスト設定 (出力マシンタイプ)として[FanucBasic]を選択し、定義ファイルとして[machine_all]ファイルを選択して、マシンを定義します。

２．NCデータ出力

すべての操作を選択して NC データを出力します。

ZW3Dでエンジンブロックを簡単に加工出来ました！
ZW3Dは高品質な機能を低価格で使うことができるCAD/CAMパッケージをご用意しています！

※ZWSOFTから引用